わんこパパの手帳

育児にわんこのお世話に追われるパパの雑記みたいなものです

【建設裏話】鉄スクラップの行方

ちょっとした裏話を一つ。

 

工事を行っていると必ず発生するのがゴミ。混合廃棄物だったり、コンクリート殻やプラスチック、鉄屑など、多くの廃棄物が発生する。我々建設業ではゴミを出来るだけ分別し、処理場に回すが、特にSDGsなんて考えたりはしていない。私の場合は単に処理費を安くして、コストダウンにつなげるのが狙いだ。

 

その廃棄物の中でも、お金に変わる存在がある。

 

それは主に鉄屑。金属系の廃棄物だ。

 

 

大なり小なり工事をしていると、少なからずどうしても発生する。これを産廃業者は嬉々として狙っているのだが、金になるのだから当然だ。

 

私が利用している業者は、回収してもらった鉄屑を有価で買取してもらい、その分を他のゴミの処理費から差し引いてもらうといった具合に相殺しているのだが、そのまま買い取ってもらい自分の懐に仕舞い込んでいる人も当然いる。量が多ければ多いほどもらえるお金も多くなるので、担当した工事の規模によっては結構な金額になるのだから、悪魔の囁きに負ける人もいるのは当然かもしれない。これは厳密にはアウトな行為だが、民間工事ではそれに対して誰も管理することができないので、暗黙の了解となっている。ただでさえ少ない我々の給料を考えると、どうしても糾弾する気にはなれない部分でもある。まあ、スケールの大きい空き缶拾いとでも考えてもらえば良いだろう。

 

実はほんの数年前までは現場で発生する鉄屑を売ったところで大した金額にならなかったのだが、ここ数年で大きく様子が変わってきており、鉄の価格が急騰したのだ。

 

主にロシアが引き起こした戦争により、各国での金属需要が異常に高まり、鉄不足により建設資材が不足するというニュースも記憶に新しいだろう。その頃から1キロ当たりの価格が膨れ上がり、一旦は落ち着いたものの、現在でもそれなりに高単価となっている。

 

そのため当時は鉄屑を狙った窃盗団なんかも工事現場に現れた。まあ、ゴミなので工事の進捗には影響がないのだが、その他の現場で使用している建具や配線なんかも一緒にごっそり持っていかれるものだから、非常に困ったこともある。手口がプロのものなので、わざわざそんなことをしなくても普通に稼げるだろうに、本当に理解に苦しむ。

 

建設現場は宝の山なのだ

 

そんなこんなで、建設現場には機械からゴミまで本当に狙われるものが多く、気を付けなければいけないのだが、こっそり懐に仕舞い込んでる方も注意しなければいけないことがある。

 

最近ではインボイス制度により個人の買取にも厳しくなったため、買取の際に運転免許証の提出を求められることが少なくない。そのため、個人にどのくらいの金額が渡ったか、税務署が必ず把握しているので、年間の買取金額は20万円以下にすることをお勧めする。雑所得の枠を出ないようにしないと、所得税の納付義務が発生するため、知らぬうちに申告漏れをしてしまうと、後から大変なことになってしまう。

 

建設業の方以外でも、家庭で発生する金属ゴミを処理場に持っていけば、ちょっとした飲み代くらいにはなるので、小銭稼ぎをしたいなら一つの手段として頭の片隅にでも置いておくといいかもしれない。ちょっと見た目は悪いかもしれないけど、一種のSDGsと自分を騙そう。