わんこパパの手帳

育児にわんこのお世話に追われるパパの雑記みたいなものです

【犬スゴイ】思春期児童の健康促進に効果的なイヌの飼育

2020年に掲載された論文にて、麻生大学「人と動物共生化学センター」による思春期の児童を対象にした調査から、イヌの飼育経験のある児童に良い影響をもたらしていることがわかっています。

参考元:イヌを飼うと思春期の児童のメンタル改善 | 麻布大学 ヒトと動物の共生科学センター Center for Human and Animal Symbiosis Science

 

今回はそんなイヌが子供に与えるメリットなどを紹介します。

 

イヌが人に与える良い影響

これまで他の研究により、イヌとヒトが共生生活をすることにより、互いの絆の形成や信頼関係に関わる「オキシトシン」と呼ばれる幸せホルモンを分泌され、これがヒトの心身に様々な良い効果を与えることはすでに明らかになっていることであり、すでに広く知られています。

 

しかし犬の飼育が多感な時期である思春期の子供にどのような効果があるかは明らかになっていませんでした。

 

イヌがもたらす思春期児童への効果

先述した調査によりイヌの飼育経験が思春期の児童に対して、WHOが定めるWellbeing(良好性状態)を向上させることが明らかになりました。

 

通常、多感な時期である思春期の児童のWellbeingは低下します。今回の調査では10~12歳の思春期児童の中で、イヌを飼育している児童とそうでない児童のWellbeingを比較した結果、飼育経験のある児童のWellbeingに良い影響があることを発見したのです。

 

WellBeing(良好性状態)とは

1984年のWHO検証において「健康とは、身体面、精神面、社会面における、すべての wellbeing(良好性)の状況を指し、単に病気・病弱でない事とは意味しない」と記載され、身体だけではなく、精神面・社会面も含めた新たな"健康"を意味するもの

参考元:イヌを飼うと思春期の児童のメンタル改善 | 麻布大学 ヒトと動物の共生科学センター Center for Human and Animal Symbiosis Science

 

ネコの飼育経験は同様の効果があるのか

今回の調査においてのことですが、実はネコを飼っている児童には、Wellbeingへの影響は認められなかったようです。

 

どのような方面に活用できるのか

あくまでも今後の研究や取り組みの参考までにしかなりませんが、児童の不登校やいじめ、拒食症などの精神的疾患へのサポートなど児童が抱える社会的問題の改善に向けた取り組みや学校教育などに応用できる可能性が多いにありそうです。

 

小学校での応用事例

インターネットでイヌを用いた取り組みや教育などがないか調べていると、目に止まった記事を見つけましたので、紹介したいと思います。

 

その前に現在小学校において動物を介した教育などが行われているのか調べてみました。

 

現在の小学校における動物飼育の状況

今は見ることが少なくなりましたが、昔は学校の敷地内に動物小屋があり、そこでニワトリやウサギを飼育していました。動物の世話を通じて児童の心の発達を促すという目的で行われていた情操教育の一つですね。

 

最近では夏休み期間などの世話の観点から、教員の負担になるという理由もあり、縮小されていきました。教員の働き方改革が大きな要因になっているということですね。

 

全国的な統計ではないが、現在で動物を飼育する学校は約20%程度にまで減少しているそうです。

参考元:学校から消えたウサギ 働き方改革と命を学ぶ意義とのはざまで | NHK政治マガジン

 

そんな中、ある小学校では面白い取り組みを行っていました。

 

学校犬という存在

東京都杉並区にある「立教女学院小学校」というキリスト系学校。こちらの学校では「学校犬」と呼ばれる犬がいます。

出典:Puppy in the Classroom: Lessons in Life with School Dog Crea | Nippon.comより

この動物介在教育は先に説明した調査よりもずっと前の2003年から続いているそうです。

 

学校に犬がいるなんてなんとも羨ましいですね、子供たちも登校するのが楽しみで仕方ないでしょう。

 

きっかけはある児童の一言

学校に馴染めない生徒からの「学校に犬がいたら楽しいのに」という一言をきいた当時教頭の吉田太郎先生が始めた活動だそうです。

 

普通の教員なら「そうだね、楽しそう」で終わるところを、動物介在教育として実際に始めてしまうあたり、熱意のある先生であったことがわかります。正直、負担になるからとなんでも廃止してしまう今の教員方にぜひ見習ってほしいです。

 

 

学校犬を通して学ぶ尊い経験

16年も続くこの取り組みの間には、出産や子育てといった命の誕生や、寿命を迎えた学校犬が教えてくれる命の終わりなど、犬の生涯を通じて子供たちに命についてを教えてくれます。

 

初代犬が亡くなった時は、全校生徒・教職員・保護者・卒業生までが集まりお別れの礼拝を行ったそうです。それほどまでに愛されていた大事な存在だったのでしょう。

 

家で動物を飼っている子供以外にも命の大切さを知る尊い経験になったのではないでしょうか。

 

最後に

犬によって子供たちに良い影響を与えてくれることが調査により明らかになりましたが、それをどう活かしていくことができるかを考えさせられました。一つの方法として立教女学院小学校で行っている「学校犬」という取り組みがヒントになったような気がします。

 

しかしながら安全面や衛生面での問題もあり、環境的に厳しいという場面もあるかと思います。どんな活動であれ、動物を用いた取り組みには周囲の人々の理解やサポートが必要ですね。

 

それに今は幸いなことに「学びの多様化」が進んでいる時代です。一律的な学校教育に馴染めない子供たちの教育の場として、様々な形のフリースクールが設立し始めています。そんな中に犬に囲まれて過ごせる夢のような学校があっても僕はいいような気がします。

僕も犬に囲まれて仕事がしたいです、社長