わんこパパの手帳

育児にわんこのお世話に追われるパパの雑記みたいなものです

実在する心霊スポットが舞台の韓国発のホラー映画「コンジアム」が本当に怖い

韓国ホラーの中でもトップクラスに怖いと話題になっていた映画「コンジアム」。

 

庶民の味方、Amazonプライムビデオにて配信されていたので、ビール片手に一人で鑑賞。

 

深夜に一人で観るものではなかったなと、少し後悔した程度には怖かったです。

韓国産POVホラー「コンジアム」

【作品情報】

日本公開年度:2019年

製作国:韓国

監督:チョン・ボムシク

脚本:チョン・ボクシム  パク・サンミン

ジャンル:POV、ドキュメンタリー、オカルト

観客動員数:韓国ホラー映画歴代2位

 

【あらすじ】

世界7大心霊スポットとして有名な韓国のコンジアム精神病院を舞台に、YouTubeチャンネル『ホラータイムズ』のメンバーが恐怖映像を配信するというPOVホラー。

 

院長の失踪や患者の集団自殺、『402号室の呪い』といったような都市伝説や幽霊の目撃情報が絶えないコンジアム精神病院。韓国内で有名すぎる心霊スポットの探索という企画に、『ホラータイムズ』のメンバーは飛び付いた。一般参加のメンバーを含め、病院に潜入する各メンバーにカメラや電磁検出器を装備し、廃病院内の探索を始める。その様子を主催者のハジュンが病院近くに設置したテントから配信し、チャンネル初となる視聴数100万人を目指すが、ヤラセとも言える演出の中に本物の心霊現象が紛れ込む。

 

率直な感想※以下ネタバレ有り

韓国内で既存のホラー映画とは一線を画す『新たな恐怖体験』という評判であったが、心霊ユーチューバーのフェイクドキュメンタリー?モキュメンタリー?的な手法で作られた映画で、特に目新しさは感じませんでした。近しい映画だと『パラノーマル・アクティビティ』とかが有名かもしれません。撮影手法などは違いますが、物語の作り方なんかは類似する部分があります。

 

ただですね、怖いか怖くないかで評価すると、非常に怖かったです。僕の苦手な怖さの質だったというのもありますが、鑑賞後も脳裏に焼き付けられたままの恐怖というか、トラウマを植え付けてくるような映像がありました。まあ要するに怖い顔ってことなんですが、非常にレベルの高い怖い顔です。日本ホラーでもなかなかお目に掛かれないような演出でした。ずっと耳に残るような気持ちの悪い声もかなり不気味で、このシーンは二度と見たくないくらいです。

 

 

滅茶苦茶怖いですよね、映像だと本当にトラウマ級です。

 

それからコンジアム精神病院にまつわる都市伝説が映画内で説明されていましたが、謎は謎のまま解決することはないです。最後ゾンビっぽいのも出てきますし、割と謎のまんまです。まあ目的は解決ではないですからね、それも含めてドキュメンタリーホラーです。

 

怖さのポイントは臨場感

本作では通常映画の製作時に使用する商業用カメラを使用せず、GoProやハンディカメラ、VRカメラ、ドローンを使用した映像となっており、ユーチューバーらしい素人くささや歪曲した映像が、病院内部の不気味さを醸し出し、まるでその場にいるような生生しい恐怖を体験できます。また、映像が飛び飛びになったり止まったりするような場面があり、自分の視聴機器の調子が悪い?とも思いましたが、それも臨場感を出すための演出のようでした。

 

出演俳優の恐怖の感情もそのまま伝わってくるので、追い詰められたメンバーの表情は見ていられません。

 

個人的に、一般参加メンバーのシャーロットが悲惨なくらい狙い撃ちにされていて可哀想でした。

 

撮影場所は本当のコンジアム精神病院!?

映画の撮影セットが非常に凝っていて、もしかして実際に現地で撮影している!?と思っていたんですが、どうやら本物のコンジアム精神病院は2018年頃に解体されています。元々有名な場所だそうですが、映画による影響を考えて急いで解体を進めたのでしょうか。

では撮影場所はどこだったのかというと、監督のインタビューで明かされていました。釜山にある廃坑の寄宿舎だそうです。とはいえ実在のコンジアム精神病院を忠実に再現し、本物と同等レベルのおどろおどろしい雰囲気が漂っていました。ただ細かい部分を言わせてもらえば、天井ボードが落ちて抜けている部分なんかは、実際経年劣化ではあのような具合にはなりませんし、どうしても作り物感はありました。

 

面白いのは、撮影場所の寄宿舎も釜山では有名な心霊スポットだったようで、撮影の中盤にそれを明かされたスタッフや出演者たちが一気に凍り付いた、と笑いながら答えていたボムシク監督、鬼畜です。

 

映画の出演者が死亡!?

本作にまつわる噂の一つに、出演者が映画の呪いで亡くなってしまったという噂があります。どうしてそんな噂が出たかというと、映画のエンドロールに追悼のメッセージがあったためだと思われます。

 

『映画人チョン・ウシクに追悼の意を表して』というメッセージと男性の写真が写ります。この方、実はチョン・ボクシム監督の弟さんで、一緒に作品を制作していたそうです。追悼のメッセージがあることから亡くなったことは間違いはないようですが、呪いかどうかはわかりません。急性敗血症が死因とされています。

 

他にもこの作品を最後に活動休止となった出演者がいるなど、「映画の呪い」として紐付けられやすいシチュエーションが重なった結果、噂となってしまったのでしょう。

 

総評

これまでのホラー映画とは一線を画す最恐のホラーという前評判で、期待した割には少し拍子抜けした感はあります。確かに恐ろしいシーンは多くあり、お化け屋敷に入ったような恐怖を体感できますが、これを映画の尺で表現する必要があったのか、とは思います。リアリティを追求するあまり、映画らしさがなくなっています。もう少し構成を練って、映画としての余韻を味わえると良かったです。ユーチューブの長編動画を見ているような作品です。

 

総合 :★★★☆☆

構成 :★★☆☆☆

怖さ :★★★★☆

演出 :★★★☆☆

独創性:★★★☆☆