まだ僕の子供は小さいので関係ないのですが、今後の育児において悩むであろうと思っているのが「スマートフォン」などの携帯機器を与えるタイミングです。
僕が携帯を持った時は高校生の終わりで、まだガラケーが主流だった時代です。いまでは小さなパソコンともいえるスマートフォンが主流となっていますね。ガラケーを使っている人は1割程度です。このスマホ、子供に良い影響を与える反面、当然ながらデメリットもあります。「みんなが持っているから」なんて理由で与えるのではなく、親がしっかりと考えた上で与えることが重要です。
スマホ所有開始年齢の低年齢化
モバイル社会研究所による調査でスマホを初めて所有した子の開始年齢の推移が公表されています。
ここ数年間の調査結果をまとめたグラフですが、男女ともに低年齢化が進んでいます。12歳までは小学生なので、スマホを与える親は小学生のうちに与えているということがわかります。
またスマホの所有開始年齢よりもキッズケータイのほうが、より低年齢の時から与えられていることがわかります。
中学校にスマホを持っている人が当たり前の時代になりつつあるため、小学校高学年のうちに練習として与えているのかもしれませんね。
スマホ所有のメリット
スマホを所有することにより子供にとってどんなメリットがあるのでしょう。個人的に考えてみようと思います。
【子供の安全管理に活用】
子供と言えども小学生ともなると自分1人で出来ることが増え、親が仕事の時などには勝手に行動することも多くなります。
家族間にて連絡手段や位置情報の把握としてスマホを与えることで、子供の安全管理に活用することが可能です。
【ITスキルの育成】
現代社会において仕事や学校など、様々なシーンにてIT機器が活用されています。ペーパーレスといったデジタル化への移行は年々進んでおり、個人のITを使いこなすスキルが特に重要視されてきています。
小さい頃からIT機器に慣れておくことで、個人スキルを伸ばしていくための地盤作りに役立ちます。
【幅広い人間関係の構築に】
SNSといったコミュニケーションツールの誕生により、年代・性別・地域の垣根を越えて、人間関係を構築することが可能となりました。
友達や親といった身近な人以外の人と交流を持つことで、幅広い知見を持てるようになります。
【情報収集のツールとして】
インターネットを通じて知りたい情報をすぐに手に入れることができます。セーフサーチを設定すれば子供でも安心して調べることができます。
スマホ所有のデメリット
反対に所有することのデメリットも考えてみます。個人的にはメリットも大きいですが、デメリットもかなり大きいと思っています。義務教育では徹底して教えることのできない領域ですので、家庭での教育をしっかりできないのであれば、僕は小学生に与えるのは反対だと思っています。
【費用面の負担が大きい】
ピンキリではあるが、端末自体の価格で2,3万円の物から10万円以上、それに加え月々の利用料金も考えると、かなり手痛い出費になります。
子供は何かとお金が掛かりますから、少なからず経済的に厳しい家庭もあるでしょう。
【ブルーライトの暴露量の増加】
スマホから発せられるブルーライトによる人体への悪影響が考えられます。ブルーライト自体は太陽光にも含まれており、体内時計のリズムを整えるなどの良い影響もあります。
しかし、スマホやPCなどの普及により、その暴露量が増加することで、目の疲れや睡眠リズムの狂いが生じ、健康に悪影響を及ぼしています。寝る前のスマホ使用による睡眠障害は、子供の成長を阻害します。
これからの時代、ブルーライトカットフィルムやメガネの使用が必須です。
【悪意のある人間との接触】
SNSにより幅広い人間関係の構築が可能となった反面、子供をターゲットとする犯罪者など悪意を持った人間が接触を図ってくる危険性があります。
子供もスマホを使ってどんな行動をしているか親には把握しきれない部分もあります。犯罪とは知らずいつの間にか共犯となっているケースが現実として起きており、問題となっています。
【肥満リスクの増加】
スマホ等のスクリーンタイム(画面視聴時間)が小中学生の肥満リスクに高めることが、新潟大学と阿賀野市及び三条市の共同研究において明らかになりました。
研究によると、女子のみにおいてスマホ3時間以上かつスマホ以外2時間以上の利用をしている女子は、該当しない女子に比べて約7倍の肥満リスクの増加が見られます。しかし、充分な運動時間および睡眠時間が確保している場合には、その限りではないということもわかっています。
この研究からは、スマホを持つことにより子供自身では運動および睡眠時間を管理できず、健康に悪影響を及ぼしやすいということがわかりますね。
【進む活字離れ】
インターネットはエンタメコンテンツが非常に豊富であり、子供でもわかりやすい動画系のコンテンツに夢中になります。ユーチューブなどがいい例ですね。子供に大人気です。
夢中になった結果、「本を読む」といったことが少なくなり、読解力の低下につながります。よく文庫などでは「行間を読む」つまり文章として表現されていない真意を読み解くということが重要とされますが、そういった想像する力が身に付かない心配があります。
【間違った情報による誤認】
情報の精度という面で考えると、インターネットで取得できる情報は専門書などに比べるまでもなく低いと言えるでしょう。インターネット上の正誤混じった大量の情報の中から、正しい情報を手に入れることは、大人でも難しいのですから、子供ならなおさらです。
手軽ゆえに情報収集のツールとして頼ってしまいがちですが、情報の精査や取捨選択ができるようになるまで、スマホに頼りきりになるのは問題です。
まとめ
以上、スマホ等の所有が子供にどんな影響を及ぼすかを考えてみましたが、良いことも悪いこともあります。長所は別の視点で見れば短所でもあるということで、使いこなす側次第で良くも悪くもなるということです。
ただ健康面に関しては、スマホを所有することよる悪影響が目立ちます。研究結果からもわかるように、自己管理の難しい子供にスマホを与えることで、適切な運動・睡眠を確保できなくなってしまう可能性が高いです。ここは親子でよく話し合いルールを設けるなどして、子供の健康を守ってあげましょう。
また、スマホによって子供の世界が広がることも事実です。これまでになかった発想や、自立心の育成のためには、新しいことにチャレンジすることが大切です。そのため、スマホによって子供が成長する可能性も十分にあり、一概にスマホを与えることは悪影響ばかりではありませんので、与えるタイミングの見極めが重要です。